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島庄遺跡調査続報5

今回紹介するのは、明日香村教育委員会によって継続的に範囲確認が行われている島庄遺跡の発掘調査についてです。

はじめに

島庄遺跡は、1970年代に奈良県立橿原考古学研究所が調査を行って以来、30次にわたって発掘調査が行われてきました。また明日香村教育委員会では、平成15年度から三ヵ年計画で範囲確認のための発掘調査を行っており、主に石舞台古墳西側の駐車場(旧高市小学校跡地)やその北側の田、飛鳥川沿い東側の田などの地域において調査を進めてきました。

今回紹介する発掘が、範囲確認調査としては最後となりました。調査区は石舞台古墳駐車場の北側にある田に設置しました。調査面積は約260平方メートルで行っています。

飛鳥時代の主な検出遺構

調査区の北側で、幅約0.3m、長さ約8m、深さ約0.3mの石組みの溝を一つみつけました。一般的にみられる、側に置かれているはずの石は抜き取られ、底の石だけが残っていました。

調査区の南側では、柱を据え付けるための掘り込みが80から120cmある柱穴を四つ見つけています。これらの柱穴は、南東方向から北西方向に、一直線に並んでおり、柱と柱の間の距離がほぼ等しいくらいの間隔で並んでいたため、掘立柱の塀であろうと思われます。また、この塀は、橿原考古学研究所調査の島庄遺跡第20次調査によってみつかった建物とほぼ同じ向きになっていたため、関連性があると思われ、7世紀中頃の時期に建てられていたものと考えられます。

まとめ

今回の調査で、島庄遺跡における飛鳥時代の遺構は、少なくとも現在の唯称寺川のすぐ南側まで広がっていることが改めて確認できました。島庄は 『日本書紀』や『万葉集』などの記載から「飛鳥河の傍に家せり」とされた蘇我馬子の邸宅があったのではないかと推定されてきた場所です。蘇我氏が滅んだ後には官有地となり、草壁皇子の離宮である「嶋宮」も同じ場所にあったと考えられてきました。

このように、「嶋」の地域は飛鳥時代、非常に重要視されていたことがわかります。今回の発掘調査でも重要な遺構がみつかっており、これまでの発掘調査成果を総合的に検討することで、「嶋」の地域のみならず明日香の飛鳥時代をより豊かなものとすることができるでしょう。

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