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1972年3月21日、明日香村大字平田の高松塚古墳において極彩色の壁画が発見されました。壁画の発見により、日本全国に考古学ブームや飛鳥ブームが到来し、明日香法制定の後押しともなりました。それから50年が経過するにあたりこれまでのあゆみを振り返ると同時に、これからの保存のあり方も考えるきっかけとして、明日香村を始め、多くの機関で関連記念の展示や講演会を行います。
高松塚古墳は奈良県高市郡明日香村大字平田に所在する7世紀末から8世紀初頭にかけて造られた古墳です。古墳の頂上に松の木があったことから、高松山と呼ばれていた江戸時代の記録があります。直径23m円墳で、二上山凝灰岩の切石を組み合わせた石室が納められており、石室内からは漆塗木棺の破片や海獣葡萄鏡、棺金具等の遺物が出土しました。
1972年3月21日、高松塚古墳の石室内の様子が明らかとなり、極彩色の壁画が描かれていることが明らかとなりました。この発見は「世紀の発見」として、文化財関連で初の全国紙第一面のカラー写真記事として取り上げられました。この発見をきっかけとして、全国で考古学ブーム・飛鳥ブームが巻き起こり、同時に文化財保護や飛鳥保存の重要性が叫ばれることとなりました。
高松塚古墳が発見されて以降、終末期古墳の認識が広まりました。東アジアとの比較研究や美術史学からのアプローチなど、従来にはない多様な分野からの研究が実施されるようになりました。技術の進歩と併せて、科学的な手法も取り入れた多角的な研究を進める契機ともなりました。
約1300年前から現代まで伝えられてきた高松塚古墳壁画の歴史的価値は世界的にも非常に高いものといわれています。明日香村に住む方々や壁画の発掘・保存・修復等に携わっていただいた関係者、そして明日香を愛する多くの方の尽力により守られてきた貴重な壁画を、未来へと継承していかなければなりません。
〒634-0111 奈良県高市郡明日香村大字岡55番地 (Google Maps)
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