2025年9月27日（土曜日）

612年に大陸から飛鳥に伝来し、日本の芸能文化の礎となった無言の仮面劇「伎楽」。
しかし鎌倉時代以降には姿を消し、現在その痕跡を辿れるのは、正倉院などにのこされた14種類の仮面と、ほんの少しの文字記録のみです。
GIGAKUプロジェクトは、令和6年度に始動しました。「伎楽は人と人を繋ぎ交流させる芸能である」と語る演出家・ダンサーの森山開次さんと共に、伝統舞踊の復刻をするだけでなく、新たな時代を切り開くツールとしての「GIGAKU」を創作しています。

森山開次プロフィール

神奈川県出身。21歳でダンスを始める。和の素材を生かした独自の表現世界に定評があり、2005年、自身の演出・振り付けによるソロ作品『KATANA』でニューヨークタイムズ誌に「驚異のダンサー」と評され、ヴェネツィア・ビエンナーレ招聘。2013年、芸術選奨文部科学大臣新人賞。同年、東京国体開会式式典演技メインパフォーマー、文化庁文化交流使としてインドネシア、ベトナム、シンガポールを歴訪。2021年、東京2020パラリンピック開会式演習・チーフ振り付けを担当した。2023年より舞台『千と千尋の神隠し』カオナシ役などダンサー、演出家の両面で唯一無二の活動を展開。現代のダンスシーンを牽引するアーティストの一人である。
2023年にはNHKBSにて放送された「GIGAKU!踊れシルクロード」（現在配信中）にて伎楽のルーツを求めてシルクロードを旅した。

2025年9月27日（土曜日）

伎楽の仮面や衣装を纏った一行、総勢50名が明日香村内を練り歩きました。
行道とは、伎楽の公演前、公演場所である寺院に向かう道中に行われたパレードのようなものです。本行道では、伎楽の主要キャラクターである治（ち）道（どう）、迦楼（かる）羅（ら）、獅子（しし）、獅子児、崑崙（こんろん）を筆頭に、布作面ダンサーや太子面をつけた子ども達、古代衣装を纏った楽隊が、様々な楽器を使って音楽を奏でながら、パフォーマンスを行いました。
出発場所の万葉文化館では、開催セレモニーとして参加者の紹介や伎楽面装着の儀を行いました。その後、飛鳥寺・苑池休憩舎・飛鳥宮跡・橘寺を巡り、それぞれ3分程度のパフォーマンスや寺院のご住職のお話、参加しているお子様向けの伎楽講座などを行いました。最後の川原寺跡では、到着セレモニーとして、子供たちと楽隊の演奏とともに演舞を行いました。
子ども達が身に着けているお面とストールは、9月上旬に村内でワークショップを開催し、子ども達が自ら制作したもので、一人ひとりの想いが込められています。到着セレモニー時の演奏も、作曲家の笠松泰洋氏を迎え、ワークショップにて、リコーダーや鍵盤ハーモニカ、カスタネットをつかった練習を行いました。
出発、到着時には、GIGAKUプロジェクト実行委員長の金野幸雄氏、森山開次氏、森川村長が挨拶し、飛鳥時代この地に伝来し、日本の芸能の礎となった伎楽を明日香村で行うことの意義を唱えると共に、飛鳥の魅力と歴史を発信する新たなツールとしてのGIGAKUの魅力を伝えました。

当日風景

（万葉文化館：開会セレモニー）

 

（万葉文化館：開会セレモニー全景）

 

（万葉文化館：仮面装着の儀）

 

（飛鳥寺：迦楼羅の舞）

 

（万葉文化館：獅子の目覚めの舞）

 

（苑池休憩舎：伎楽ワンポイント講座）

 

（飛鳥寺から苑池休憩舎へ向かう道中）

 

（苑池休憩舎：崑崙と踊るぐっ！とぱっ！）

 

（苑池休憩舎：崑崙）

 

（橘寺：太子達の円遊び）

 

（飛鳥宮跡）

 

（橘寺出発時）

 

（橘寺：奉納の舞）

 

（川原寺跡：到着セレモニー

全員合奏と舞舞舞「分かち合い大円団）

 

（川原寺跡到着時）