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明日香法は全体で8条から成る法律で、第1条にその目的が書かれています。第2、3条では明日香村の歴史的風土保存計画について、第4条では明日香村整備計画についての記述がなされています。第5、6、7条は国の助成や配慮などに関する規定、第8条は明日香村整備基金についての記述です。明日香村はその全域にわたる歴史的風土を保存するため、全国どの市町村にもある都市計画法や建築基準法など、その他各種法的規制に加えて、古都保存法や奈良県風致地区条例による規制を受けることになっています。明日香法は歴史的風土保存のために古都保存法の特例を定めた部分(規制を行う部分)と、住民生活の安定向上を主眼においた2つの基本政策、すなわち明日香村整備計画と明日香村整備基金について定めた部分との2つの部分から成っています。

明日香法第1条では、明日香村が古都保存法の指定地域のなかでも全村が歴史的風土として保存されるべき特別の地域であること、そのためにこの明日香法が制定されたということが書かれています。ここに書かれている歴史的風土とは、「わが国の歴史上意義を有する建造物、遺跡等が周囲の自然的環境と一体をなして古都における伝統と文化を具現し、及び形成している土地の状況」をいうものと定義されています。(古都保存法第1条)
[第1条]
明日香村では内閣総理大臣により村全域について歴史的風土保存計画(明日香村歴史的風土保存計画)が定められたうえ、県知事により、村全域が第1種歴史的風土保存地区または第2種歴史的風土保存地区として都市計画決定されています。
第1種歴史的風土保存地区と第2種歴史的風土保存地区では、第1種の方がより厳しく、歴史的風土の保存を図るべき区域とされています。明日香村では、特に重要な史跡、石舞台地区や高松塚周辺地区、岡寺や飛鳥板蓋宮跡、飛鳥浄御原宮跡、甘樫丘周辺地区などは第1種歴史的風土保存地区、その他の地区は第2種歴史的風土保存地区に指定されています。
[第2条]
(明日香村歴史的風土保存計画)
内閣総理大臣は、奈良県、明日香村(奈良県高市郡明日香村をいう。以下同じ。)及び歴史的風土審議会(古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(以下「古都保存法」という。)第16条第1項の歴史的風土審議会をいう。以下同じ。)の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して、古都保存法第5条第1項の歴史的風土保存計画として、明日香村の区域の全部について、歴史的風土の保存に関する計画(以下「明日香村歴史的風土保存計画」という。)を定めなければならない。この場合において、内閣総理大臣は、奈良県または明日香村から意見の申し出を受けたときは、遅滞なくこれに回答するものとする。
2 明日香村歴史的風土保存計画に定める事項は、次のとおりとする。
(1)第1種歴史的風土保存地区と第2種歴史的風土保存地区との区分の基準に関する事項
(2)第1種歴史的風土保存地区及び第2種歴史的風土保存地区内における行為の規制に関する事項
(3)歴史的風土の保存に配意した土地利用に関する事項
(4)歴史的風土の保存に関連して必要とされる施設の設備に関する事項
(5)古都保存法第11条第1項の規定による土地の買入れに関する事項
(6)前各号に掲げるもののほか、歴史的風土の維持保存に関し特に必要と認められる事項
3 内閣総理大臣は、明日香村歴史的風土保存計画を定めたときは、これを関係行政機関の長、奈良県及び明日香村に
送付するとともに、官報で公示しなければならない。
4 前三項の規定は、明日香村歴史的風土保存計画の変更について準用する。
[第3条]
(第1種歴史的風土保存地区及び第2種歴史的風土保存地区に関する都市計画)
明日香村に区域については、明日香村歴史的風土保存計画に基づき、当該区域を区分して、都市計画に第1種歴史的
風土保存地区及び第2種歴史的風土保存地区を定めるものとする。
2 第1種歴史的風土保存地区は、歴史的風土の保存上枢要な部分を構成していることにより、現状の変更を厳に抑制し、
その状態において歴史的風土の維持保存を図るべき地域とし、第2種歴史的風土保存地区は、著しい現状の変更を抑制し、歴史的風土の維持保存を図るべき地域とする。
3 第1種歴史的風土保存地区及び第2種歴史的風土保存地区は、それぞれ古都保存法第7条の2後段の特別保存地区とする。
明日香村整備計画は、明日香村の貴重な歴史的風土を保存し住民生活をより豊かなものにするために策定されたものです。
現在進められている第3次明日香村整備計画は、これまでの実績を踏まえるとともに、法制定後20年が経過し明日香村を取り巻く社会情勢等の変化の中で生じてきた新たな課題に対応すべく策定されました。同計画は、村民が生き生きと暮らし、明日香村の歴史的風土を創造的に活用して、魅力ある「日本のこころのふるさと明日香村」の実現を図るため、さまざまな事業が展開されています。
[第4条]
(明日香村整備基本方針等)
内閣総理大臣は奈良県、明日香村及び歴史的風土審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して、明日香村における歴史的風土の保存と住民の生活との調和を図るため、明日香村における生活環境及び産業基盤の整備等に関する基本方針(以下「明日香村整備基本方針」という。)を定め、これを奈良県知事に示すものとする。この場合において、内閣総理大臣は、奈良県または明日香村から意見の申出を受けたときは、遅滞なくこれに回答するものとする。
2 奈良県知事は、前項の規定により示された明日香村整備基本方針に基づき、明日香村の意見を聴いて、明日香村における生活環境及び産業基盤の整備等に関する計画を作成することができる。この場合において、奈良県知事は、あらかじめ、内閣総理大臣に協議し、その同意を得なければならない。
3 前項に規定する計画に定める事項は、次のとおりとする。
4 内閣総理大臣は、第2項に規定する計画が適当なものであると認められるときは、これに同意するものとする。
この場合において、内閣総理大臣は、歴史的風土審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議しなければ
ならない。
5 前3項の規定は、明日香村整備計画(第2項の同意を得た同項に規定する計画をいう。以下同じ。)の変更について準用する。
明日香村が国から補助金の交付をうけて行う特定事業(道路、下水道、都市公園などで明日香村整備計画に基づき行われる事業)に必要な経費は、通常の補助率より高率な補助をもらえること(かさあげ措置)になっています。
また、明日香村については公共事業等に対する国庫補助率の引き下げ措置の適用除外や引下率の緩和が行われています。
[第5条]
(国の負担または補助の割合の特例)
明日香村整備計画の基づいて、昭和55年度から平成21年度までの各年度において明日香村が国又は奈良県から負担金又は補助金の交付を受けて行う事業(奈良県から負担金又は補助金の交付を受けて行うものにあっては、奈良県が負担し、または補助するために要する費用の一部を国が負担し、または補助するものに限る。)のうち、次に掲げる事業(災害復旧に係るもの、当該事業にかかわる経費の全額を国又は奈良県が負担するもの及び当該事業に係る経費を明日香村が負担しないものを除く。)で政令に定めるもの(以下「特定事業」という。)に係る経費に対する国の負担又は補助の割合(明日香村に対する負担または補助のために奈良県が要する費用の一部を国が負担し、又は補助している場合にあっては、国の負担金又は補助金の当該特定事業に係る経費に対する割合)については、首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律(昭和41年法律第114号)第5条の規定の例による。
(1)次の施設の整備に関する事業
イ 道路
ロ 下水道
ハ 都市公園
ニ 教育施設
ホ 厚生施設
ヘ 農地並びに農業用施設及び林業施設で政令で定めるもの
(2)前号に掲げるもののほか、生活環境及び産業基盤の整備のために必要な事業で政令で定めるもの
2 前項の規定により通常の国の負担割合を超えて国が負担し、又は補助することとなる額の交付に関し必要な事項は、政令で定める。
明日香村整備基金とは、歴史的風土の保存を図るために行われる事業の財源に充てるため、明日香村が設けたものです。
昭和55年(1980年)から昭和59年の間に国や県の補助を受けて総額31億円で基金の造成を行い、その運用益(平成11年度:約1億2千万円)をもって、明日香村の景観の保全や生活環境を良くしていくため大字管理組合への支援、デザイン助成、小規模農道整備などの住民生活に密着したソフト面を含めたきめ細やかな各種事業を行っています。
[第8条]
(明日香村整備基金)
明日香村が次に掲げる事業(特定事業を除く。)に要する経費の全部又は一部を支弁するため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第241条の基金として、明日香村整備基金を設ける場合には、国は、24億円を限度として、その財源に充てるために必要な資金の一部を明日香村に対して補助するものとする。
(1)歴史的風土の保存を図るために行われる事業
(2)土地の形質又は建築物その他の工作物の意匠、形態等を歴史的風土と調和させるために行われる事業
(3)住民の生活の安定向上を図り、又は住民の利便を増進させるために行われる事業で歴史的風土の保存に関連して必要とされるもの
(注)平成13年1月6日以降、中央省庁再編に伴い、明日香村法の条文は、変更になります。
(「内閣総理大臣」は「国土交通大臣」に、「歴史的風土審議会」は「社会資本整備審議会」に 等)